駒井家の不登校⑤【息子の一人暮らし】

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2024.07.22
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息子の一人暮らし

息子の一人暮らしには「まだ早すぎる」と夫は大反対でした。でも私は息子が自分を試してみたい、挑戦したいという気持ちがあるんだなと感じて夫を説得し一人暮らしをさせることにしました。場所は私の父が所有していた兵庫県西宮市にある古いアパートの一室。父が使ってもいいと言ってくれて、そこから茨木市の通信高校にバイクで通学していました。一人暮らしをしてからのバイトは引っ越し屋で、息子はそれで生計を立てていました。
一人暮らしを始めた頃、ヒョロヒョロだった息子は引っ越し屋のバイトであっという間にガッチリした体になり、重たいものも軽々と持ち上げられるほどになりました。毎日の仕事が筋トレのようなものだったからなんでしょうね。

 

私は滅多に息子のところへは行くことはありませんでしたが、たまに好物のカレーを作ってアパートに持っていくことがありました。意外にとても綺麗に掃除していてちゃんと暮らしているのがわかりました。自立して生きていこうとしていることが伝わってくるようでした。
息子と離れて暮らすことでいい距離ができてお互いが冷静になれたのはよかったなあと思います。そしてそれがいい関係性を構築できるきっかけになったのでした。最大級に大変な中学の思春期を通り越し落ち着く時期に入ったのもあって、息子は穏やかになりました。そして普通に話せるようになりました。

 

一人暮らしが1年半ほど経過した頃、家に時々帰って来る息子は、なんだかしんどそうでした。どうやら一人暮らしが相当堪えたようでした。私は「しんどかったらいつでも帰って来ていいんよ」と言ったことがありました。でも息子は「いや、それは負けになる」と、帰ることをしぶりました。一旦決めたことを一生懸命に頑張らなくてはと思っているんだなあと感じました。
しばらくして息子から「本当に帰ってもいいかな?」という連絡が入り「もちろん!ゆっくりしたらいいよ」と私は伝えました。そして息子は一人暮らしという冒険を終えて18歳の秋に家に戻ってきたのでした。

つづく

 

※このブログはTeska Terraceを身近に感じていただけるようにと思って理事長の駒井が書き綴っております。

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